―霜月(11月)のことば―

(おみな)あり  二人ゆく

(わか)きはうるわし  ()いたるはなお うるわし』

 

アメリカの詩人ホイットマンの詩です。

若さには可能性を無尽に秘めた素晴らしさがあります。ほとばしるほどにエネルギーも充ち満ちています。これは大きな大きな魅力です。ところが若さを保つ秘訣などこの世には無いことも事実です。お釈迦さまがおっしゃる無常≠ナす。また、年を重ねなければ醸し出されない魅力もあります。丹精とか円熟というものがそれなのでしょう。

春や夏にみなぎっていたエネルギーも、秋の深まりとともに円熟味を増して来ました。軒に吊るされた柿の実も、秋風に吹かれなければ育まれぬ味わいがあります。ただ漫然と日々を折り重ねただけではこの味を出すことは到底難しいでしょうが、ひと時ひと時を丹精込めていとおしみながらの老境はまさに達者そのものなのでしょう。







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